コラム

小麦粉の話 その9

今回は、小麦粉全粒粉についてお話したいと思います。
全粒粉(ぜんりゅうふん)とは、読んで字の如く、小麦の粒をすべて使って製造した小麦粉のことで、通常小麦粉は小麦と表皮と麦芽(フスマと呼ばれることがあります)を取り除いた部分、いわゆる胚乳のみを粉砕して粉にしています。この表皮などの混入量で、小麦粉の等級(一等粉、二等粉など)が決まり、小麦の歴史は、この胚乳以外のものをいかに取り除くかが技術革新の中心であったようです。しかし最近は、健康食品や自然食がブームになってきて、小麦粉を作るのに取り除かれていた小麦の表皮や麦芽などが注目され、小麦の麦芽にはタンパク質やビタミン、ミネラルが含まれ、表皮には豊富な食物繊維が含まれていることから、良質な健康食品として扱われるようになりました。これらを背景に、小麦を丸ごと製粉した全粒粉が普及していき、各メーカーも多種多様な全粒粉を製造するようになりました。全粒粉は、グラハム粉と呼ばれることもありますが、これはアメリカのグラハム博士が、全粒粉の利用を薦めたことによって、その名前からグラハム粉と呼ばれていますが、グラハム粉と全粒粉は製造方法が少し違い、グラハム粉は通常の小麦粉に表皮や麦芽を粗挽きにして混ぜ合わせて製造されています。
全粒粉は、表皮などを含んでいるため色は、茶褐色で食物繊維による歯ごたえもありますが、普通の小麦粉に比べるとグルテンの形成が悪く、パンのふくらみは良くないようです。又、脂肪分が少し多いため、保存性は良くなく、賞味期限が小麦粉より短いので、早めに使いきるように心がけなければなりません。

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